ビデオ日記の始め方と、無理なく続けるコツ
ビデオ日記の始め方をステップごとに解説。必要なもの、話す内容、録画の長さ、毎日の習慣として定着させる方法まで紹介します。
著者 Dan Wolfgram
公開日: · 9分で読めます

結論
ビデオ日記を始めるには、プライベートなアプリを選び、毎日すでにしていることに結びつけて時間を決め、シンプルな質問1つに30〜60秒で答えて録画します。最初の2週間は記録を短くし、1日休んでもゼロからやり直さず、月に1回は過去の記録を見返しましょう。
ビデオ日記の始め方は、1日1分ほどで実践できるシンプルなものです。必要なのはスマートフォンと、動画を保管するプライベートな場所、そして疲れている日や忙しい日にも繰り返せる簡単な習慣だけです。挫折する人の多くは、日記そのものが難しいからやめるわけではありません。最初の記録が長すぎて、意気込みすぎていたために続けられなくなるのです。
このガイドでは、準備、話す内容、そして習慣づくりについて解説します。ビデオ日記が続くかどうかは、たいてい習慣づくりで決まります。
ビデオ日記とは?
ビデオ日記は、書く代わりに話す日記です。その日のこと、これからの予定、頭に浮かんでいることなどをスマートフォンのカメラに向かって話すと、録画がそのまま人生のタイムラインになり、いつでもさかのぼって見返せます。
文章を書くのが遅い人や、書くと堅苦しくなってしまう人に向いています。話すほうがタイピングより速く、動画には文字の日記では残せないものが記録されます。声のトーン、表情、いた場所、その日の光の様子などです。1年前の記録を見るのは、過去の自分について読むというより、過去の自分に会いに行く感覚に近いものです。
ビデオ日記の始め方:まず必要なもの
- スマートフォン。 インカメラで十分です。
- 動画を保管するプライベートな場所。 カメラロールでも使えますが、日記がほかの写真や動画と混ざってしまい、共有アルバムや家族のデバイスに同期されることもよくあります。日記専用のアプリなら記録を分けて保管でき、理想的には暗号化もされます。
- 静かな場所。 誰にも聞かれずに声を出して話せる場所です。駐車中の車の中、寝室、屋外を散歩しながらでもかまいません。
必要なものはこれだけです。照明があると助かりますが(できれば窓のほうを向きましょう)、機材がそろうのを待つ理由にはしないでください。
ステップ1:日記の目的を決める
なぜ始めるのかを一文で書いてみましょう。たとえば次のようなものです。
- 「休暇の日だけでなく、ふだんの日のことも覚えておきたい」
- 「何が自分の気分に影響しているのかを理解したい」
- 「つらい時期を過ごしていて、気持ちを整理する場所がほしい」
目的によって、話す内容が変わります。思い出を残す日記なら、何があったかが中心になります。気分の日記なら、どう感じたか、それはなぜかが中心になります。あとで目的を変えてもかまいませんが、目的があると最初の1週間がぐっと楽になります。
ステップ2:時間を決めて、今ある習慣に結びつける
今日録画するかどうかを最もよく予測するのは、いつ、どこで録るかを前もって決めていたかどうかです。心理学ではこれを「実行意図」と呼びます。「Xが起きたら、Yをする」という形の計画のことです。ピーター・ゴルヴィツァーによる研究レビューでは、こうした計画を立てた人は、目標を設定しただけの人よりも目標を実行に移しやすいことが示されました。
ビデオ日記の場合は、次のような計画になります。
- 「夜に歯をみがいたら、日記を録る」
- 「仕事のあと車に乗ったら、運転して帰る前に録る」
- 「朝のコーヒーを注いだら、録る」
夜はその日を振り返るのに向いています。朝は計画や意図を立てるのに向いています。自分が守りやすいほうを選び、念のためその時間に毎日のリマインダーを設定しておきましょう。
ステップ3:最初の2週間は短くする
1回の記録は30〜60秒を目安にしましょう。短すぎると感じるかもしれませんが、それが狙いです。短い記録なら調子の悪い日でも録れますし、習慣が途切れるのはまさにそういう日です。
録画が当たり前になれば、長い記録も自然に増えていきます。大きな出来事があって10分話す日もあれば、3文で終わる日もあるでしょう。どちらも立派な記録です。
ステップ4:毎日同じシンプルな質問を使う
話せなくなる一番の原因は、何もない画面を前にすることです。決まった質問を用意して、何を話すか迷う必要をなくしましょう。はじめはこの3つがおすすめです。
- 今日は何があった?
- それでどう感じた?
- 楽しみにしていることを1つ挙げるなら?
2つ目の質問には、見た目以上の働きがあります。感情を声に出して名前をつけることは、ささやかな心の整理になります。マシュー・リーバーマンが率いた脳画像研究では、気持ちを言葉にすること(画像に「怒り」や「恐れ」というラベルをつけること)で、同じ画像にほかの方法で反応した場合と比べて、感情的な反応に関わる脳の領域である扁桃体の活動が低下しました。
変化がほしくなったら、習慣が定着してから質問のリストを順番に試してみましょう。今のところは、同じ3つの質問で十分です。
ステップ5:プライベートにする
本当に思っていることを話せるのは、誰にも見られないと確信しているときだけです。だからこそ、ビデオ日記ではほかの多くのアプリ以上に保管場所が重要になります。
アプリを決める前に、次の3点を確認しましょう。
- 動画はどこに保存される? デバイス上か、クラウドか、その両方か。
- 暗号化されている? エンドツーエンド暗号化とは、動画がアップロード前にスマートフォン上で暗号化されることを意味します。そのため、動画を保管している会社でも見ることはできません。
- スマートフォンを紛失しても取り戻せる? 1台のデバイスにしかない日記は、そのデバイスと一緒に消えてしまうことがあります。
Happy Reasonsは、この考え方を軸に作りました。すべての動画、写真、文字起こしは、パスワードから生成された鍵でデバイス上でエンドツーエンド暗号化されるため、私たちがあなたの記録を見ることはできません。
ステップ6:1日休んでもゼロからやり直さない
録れない日は必ずあります。それでこれまでの積み重ねが消えるわけではありません。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究では、新しい毎日の習慣を身につけようとする人々を12週間追跡しました。行動が自動的に感じられるようになるまでには平均66日かかり、個人差は大きく、18日から254日までの幅がありました。1日休んだだけでは、ほとんど後退しませんでした。
連続記録(ストリーク)は続いているうちはやる気につながりますが、1日休んだだけで失敗したように感じるなら逆効果です。ストリークはルールではなく、背中を押してくれるものとして扱いましょう。目指すのは完璧な記録ではなく、1年後も続いている日記です。
ステップ7:月に1回、過去の記録を見返す
ビデオ日記の真価が発揮されるのは、見返すときです。心配していたことが結局は何事もなく済んだこと、そして数か月でどれだけ変わったかが見えてきます。
もう1つ利点があります。画面に映る自分を見ると、観察者の立場に立つことになります。イーサン・クロスらの研究では、「私」ではなく自分の名前や「あなた」を使って自分に語りかけた人は、ストレスのかかる状況に、より少ない苦痛で対処できました。見返すことはこの実験とまったく同じではありませんが、似たような距離が生まれます。その場の自分に優しくするより、画面の中の人に優しくするほうが簡単なのです。
毎月、たとえば第1日曜日など日を決めて、1か月前の記録を1本と、もっと前の記録を1本見てみましょう。
始めるときによくある不安
「動画に映る自分の見た目や声が嫌い」 最初はほとんどの人がそう感じます。たいていは繰り返すうちに気にならなくなります。ほかに見る人はいないので、取りつくろう必要はありません。
「話すほど面白いことがない」 日記は誰かに見せるためのものではありません。ふだんの日こそ、あとで思い出したくなる日です。忘れてしまうのは、そういう日だからです。
「動画はストレージを圧迫する」 毎日の短い記録なら、増え方はゆっくりです。容量が心配なら、クラウドバックアップのあるアプリを使えば、動画をスマートフォンだけに置いておく必要がなくなります。
「誰かに見つかったらどうしよう」 カメラロールではなく、ロックと暗号化のあるアプリを使いましょう。
今夜から始めよう
これ以上の計画はいりません。時間を決め、カメラを開き、「今日は何があって、どう感じた?」に1分以内で答えるだけです。明日も同じことをしましょう。2週間後には14本の短い動画がたまり、思っている以上の価値があるはずです。
話す内容のアイデアがもっとほしいなら、こちらのジャーナリングの質問を試してみてください。形式で迷っているならビデオ日記と書く日記を比べてみるか、ビデオ日記のメリットを読んでみてください。
よくある質問
ビデオ日記1回の長さはどのくらいがいいですか?
まずは30〜60秒から始めましょう。短い記録なら忙しい日でも録りやすく、最初のうちは内容の深さよりもそのほうが大切です。習慣が定着したら、話したいことがある限り長く話してかまいません。
最初のビデオ日記では何を話せばいいですか?
今日あったこと、それでどう感じたか、楽しみにしていることを1つ話しましょう。それで十分です。最初の記録の目的はカメラに慣れることで、深いことを言う必要はありません。
カメラに向かって独り言を話すのは変ですか?
最初はほとんどの人がぎこちなさを感じますが、短い記録を毎日1〜2週間続けると、たいていその感覚は薄れていきます。誰にも聞かれないプライベートな場所で録ると、ずっと話しやすくなります。
ビデオ日記を始めるのに特別な機材は必要ですか?
いいえ。スマートフォンのインカメラで十分です。どんな機材よりも、静かな場所とほどよい明るさ(窓のほうを向くのがおすすめです)のほうが大切です。
出典
- How are habits formed: Modelling habit formation in the real world (European Journal of Social Psychology)
- Implementation intentions: Strong effects of simple plans (American Psychologist)
- Self-talk as a regulatory mechanism: How you do it matters (Journal of Personality and Social Psychology)
- Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli (Psychological Science)


