ビデオ日記のメリット:話して気持ちを整理する7つの理由
気持ちの整理から、ふだんの日の記録まで。ビデオ日記のメリットと、研究で実際にわかっていること、わかっていないことを紹介します。
著者 Dan Wolfgram
公開日: · 7分で読めます

結論
ビデオ日記には、気持ちを言葉にすることで感情を整理しやすくなる、書く日記より続けやすい、過去の記録を見返すと物事を客観的に見られる、忘れてしまいがちなふだんの日を鮮明に残せる、といったメリットがあります。研究では、感情の開示がウェルビーイングにささやかな良い効果をもたらすことが示されています。セラピーではありませんが、習慣が続くほどメリットは積み重なります。
ビデオ日記のメリットは、2つのことから生まれます。経験を話すことと、あとで見返せる記録を残すことです。気持ちを声に出すと整理しやすくなり、短い動画がたまっていくと、ハイライトだけのカメラロールでは決して得られない視点と思い出が手に入ります。
以下では、7つのメリットと、それぞれの裏にある研究で実際にわかったこと、そしていくつかの正直な限界を紹介します。このテーマの研究の多くは動画ではなく書く方法で行われているため、根拠が間接的な部分はそのように明記しています。
1. 感情を整理しやすくなる
ただ感じるのではなく「木曜日のことが不安だ」と口に出すとき、あなたは心理学で「感情ラベリング」と呼ばれることをしています。マシュー・リーバーマンが率いた脳画像研究では、画像に表れた感情にラベルをつけることで、同じ画像にほかの方法で反応した場合と比べて、感情的な反応に関わる脳の領域である扁桃体の活動が低下しました。
ビデオ日記は、これを毎日の習慣にしてくれます。「今日はどんな気持ちになった?」という最もシンプルな質問が、今起きていることを言葉にするよう促してくれます。
2. 経験を言葉にすることは、より良いウェルビーイングと結びついている
1986年の研究で、ジェームズ・ペネベーカーとサンドラ・ビールは、学生たちにトラウマとなった経験について4日連続で1日15分書いてもらいました。事実と気持ちの両方を書いた学生は、些細なテーマについて書いた学生に比べて、その後の数か月間に学内の保健センターを訪れる回数が少なくなりました。
その後、何百もの研究が続きました。ジョアン・フラッタローリによる2006年のメタ分析では、そのうち146件を分析し、平均すると効果はあるものの小さいことがわかりました。これが正直な全体像です。つらい経験を表現することは、すべての人に大きな効果をもたらすのではなく、多くの人に少しずつ役立つのです。
では、書く代わりに話した場合はどうでしょうか。ブライアン・エスタリングらによる1994年の研究がこれを直接検証しました。ストレスの多い出来事について話した人は、免疫の指標で最も大きな改善を示し、書いた人を上回りました。そして、どちらのグループも些細なテーマについて書いた人より良い結果でした。これは1つの研究にすぎないので、結論ではなく励みになる結果として受け止めてください。それぞれの長所と短所について詳しくは、ビデオ日記と書く日記をご覧ください。
3. 習慣として続けやすい
日記は続けてこそ役に立ちます。動画なら手間が少なくて済みます。文章を組み立てる代わりに、録画ボタンを押して、友だちと話すときのペースで話すだけです。疲れた夜でも、60秒の動画なら現実的な目標ですが、1ページの文章はそうはいかないことがよくあります。
ビデオ日記の始め方のガイドでは、習慣づくりについて詳しく解説しています。毎日すでにしていることに結びつける、最初の2週間は短くする、1日休んでもゼロからやり直さない、の3つです。
4. 見返すと客観的な視点が得られる
画面に映る自分を見ると、観察者の立場に立つことになります。3月に頭がいっぱいだった悩みも、結果を知った6月に見返すと違って見えます。
自己距離化については関連する研究があります。イーサン・クロスらの実験では、ストレスのかかる課題に取り組む際、「私」ではなく自分の名前や「あなた」を使って自分に語りかけた人は、苦痛が少なく、成績も良くなりました。日記を見返すことはこの実験とまったく同じではありませんが、似たような距離が生まれます。その場の自分に優しくするより、画面の中の人に優しくするほうが簡単だと感じる人は多いのです。
5. うまくいっていることに気づけるようになる
毎日何に目を向けるかで、見えるものが変わります。ロバート・エモンズとマイケル・マカローの実験では、感謝していることを定期的に書き出した人は、ウェルビーイングに関するいくつかの指標で比較群を上回りました。
ビデオ日記は、これにぴったりの場所です。毎回の記録の最後に、どんなに小さくてもその日の良かったことを1つ話しましょう。ジャーナリングの質問のリストには、良いことに気づくための質問もひととおりまとめています。
6. ふだんの日を残せる
これは見落とされがちなメリットです。ティン・チャンらの研究では、参加者が最近の会話や最近していたことなど、ふだんの瞬間をタイムカプセルに記録しました。数か月後に開けたとき、参加者は予想していたよりも強い好奇心を感じ、面白いと感じました。また追跡研究では、その差は特別な経験よりもふだんの経験のほうが大きくなりました。
動画は、そうした瞬間を鮮明に残してくれます。声、表情、いた部屋、外の物音。文字の一行ではなかなかよみがえらないものが、まとめて戻ってきます。録るほどでもないと思った記録こそ、あとで一番見たくなることが多いのです。
7. 気分のパターンが見えてくる
何週間も続けるうちに、日記はデータになっていきます。最悪の日は睡眠が短かった夜のあとに来る、外に出た日は気分が良い、日曜日は思っていたよりつらい、といったことに気づくかもしれません。
Happy Reasonsでは、各記録に気分と、天気、場所、活動などのコンテキストを組み合わせて残せます。気分カレンダーには、日記をつけた日ごとにスマイリーが表示されます。毎日の中では見えないパターンも、1か月単位で見るとはっきりします。すべての機能をご覧ください。
ビデオ日記のメリットを得るには
- 記録は短く。 ほとんどの日は30秒から2分で。深さよりも継続が大切です。
- 毎回、気持ちを1つ言葉にする。 一文で済み、日記の価値の多くはそこにあります。
- 最後は良いことで締める。 うまくいった小さなことを1つ。
- 月に1回見返す。 1か月前の記録を1本と、もっと前の記録を1本見ましょう。
- プライベートに保つ。 誰にも見られないと確信できなければ、正直にはなれません。共有のカメラロールではなく、エンドツーエンド暗号化に対応した日記を使いましょう。何に注目して選べばいいかは、プライベートなビデオ日記アプリのガイドで解説しています。
メリットはゆっくり積み重なる
ビデオ日記の最初の1週間は、たいていスマートフォンに話しかけているだけのように感じます。価値が見えてくるのはそのあと、何か月分もの記録がたまったときです。何に悩み、何を誇りに思い、ふだんの日がどんなふうだったかの記録がそこにあります。今夜、短い記録を1本録ってみましょう。何を話せばいいか迷ったら、ジャーナリングの質問から1つ選んでみてください。
よくある質問
ビデオ日記にはどんなメリットがありますか?
その日のことを話すと、感情に名前をつけて整理しやすくなります。書く日記より生き生きと人生を記録でき、手早く続けられるのも利点です。過去の記録を見返すと、悩みを客観的に見られたり、自分がどれだけ変わったかに気づけたりもします。
メンタルヘルスには、書くよりビデオ日記のほうが良いですか?
それを判断できるだけの研究はまだありません。感情の開示に関する研究の多くは書く方法で行われており、話すことと書くことを比較したある研究では、話すほうが少なくとも同程度の効果がありました。続けられる形式を選びましょう。
ビデオ日記のメリットを感じるまでに、どのくらいかかりますか?
気持ちに名前をつけると、すぐにその気持ちが扱いやすく感じられることがあります。客観的な視点やパターンに気づくには時間がかかります。多くの人は、見返せる記録が十分にたまる数か月後に気づきます。
ビデオ日記で気分が悪くなることはありますか?
ときにはあります。毎晩同じ悩みを繰り返し話していると、気持ちが落ち着くどころか、かえって生々しいままになることがあります。そうなったら、学んだことやこれからすることについての質問に切り替え、つらいときは専門家に相談してください。
出典
- Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli (Psychological Science)
- Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease (Journal of Abnormal Psychology)
- Experimental disclosure and its moderators: A meta-analysis (Psychological Bulletin)
- Emotional disclosure through writing or speaking modulates latent Epstein-Barr virus antibody titers (Journal of Consulting and Clinical Psychology)
- Self-talk as a regulatory mechanism: How you do it matters (Journal of Personality and Social Psychology)
- Counting blessings versus burdens: An experimental investigation of gratitude and subjective well-being in daily life (Journal of Personality and Social Psychology)
- A "present" for the future: The unexpected value of rediscovery (Psychological Science)


